今日は最近読んだ有川浩の小説の感想をエントリーします。
読んだ本は2冊。
『クジラの彼』角川書店
『レインツリーの国』新潮社
有川浩って女性だったんですね〜〜。本を読んで知りましたw。
先日の本屋さん大賞で『図書館戦争』が候補になってたし、一応SF好きなもんで名前は知ってました。本を読まなくても作家さんの名前だけはいつもチェックしてるんで(笑)。
実はこの前実家に帰った時に、
姪っ子姉妹と小説や漫画の話をとりとめもなくしていたら、下の子が突然「有川浩」知ってると聞いてきたんで、
「名前だけは知ってる。本は読んでないけど」っと答えたらそれだけで食い付いてきましてね。僕のようなオッサンが名前だけでも知ってると思ってなかったみたいでしてw、、。彼女はちょっと気難しい子(てゆーか反抗期w)で、なかなかコミをとるのが難しい。
でも、その日は有川浩ネタから恩田陸、森絵都、佐藤多佳子、あさのあつことかの流行りの作家の話に広がって案外盛り上がって愉しい時間が持てました。
それが切っ掛けでちょっと読んでみようかなと思った有川浩。
図書館で『クジラの彼』と『レインツリーの国』を借りてきて読みましたよ。
で、読み終わった感想は、、面白かった。
っていうか僕の嗜好にハマる作家さんみたいです。本の詳しい話は避けます。ネタバレすると面白さが半減するでしょうから。
でもちょっとだけ、、
『クジラの彼』
作者流にいえば、べた甘のラブロマです。それも舞台は自衛隊。すげーミスマッチですがこのくらいは漫画ではフツー。まあ美女と恐竜のヒロイックファンタジーと何処か通じるくらい、案外ラブコメと軍隊はマッチするのですよw。
あとがきを読んで成る程ねと思ったのが、作者は新井素子『星へ行く船』等のジュブナイルへのオマージュっぽいです。確かに設定を自衛隊にするより宇宙軍にした方がすっぽりハマったかも。
ベタ甘ですがなかなか口語調のテンポとリズムと文章のビジュアル性は、本家新井素子にも匹敵する表現力です。案外、いずれ自衛隊タイアップの元で映画化、ドラマ化されるかもしれませんね(笑)
『レインツリーの国』
これもストーリーはベタですが、なかなか泣かせるツボを心得てる。幼少の頃読んだ冒険活劇の小説の書評ブログを読んで、それに感動した主人公の彼「伸」がその感想をコメントに書き込む。サイト主の彼女「ひとみ」と本の感想をネットで交換するうちにだんだん親密になっていくっていう話ですが、これ以上いえません。ネタバレですから、、(笑)。
会話を積み上げていく掛け合うセリフなんか、まさに少女漫画の王道を踏んだ作品。
例えてみればジブリの傑作、新潟出身の故・近藤喜文監督の『耳をすませば』にイメージが被りますね。
『耳を、、』のコンセプト。宮崎駿さんによると「少女マンガの世界が持つ、ピュアな部分を大切にしながら、今日を生きることとは一体どういうものか。ひとつの砂糖菓子のような理想化した出合いに、ありったけのリアリティーを与えながら、生きることの素晴らしさをぬけぬけと唱い上げようという挑戦」といいきったその狙いと同じことを有川浩風の現実に当てはめたような、そんな作品です。
つまりラブロマと宮崎アニメとジュブナイルものが好きな人はたぶんピンポイントにハマりますね。(笑)
有川浩女史がそれを狙ってるかどうか知りませんが、、
まあ3つのうち2つぐらい好きなら
十分愉しめると思う小説でしたw。
次は『図書館戦争』を読んでみるつもりです。
追記、偶然ですが
『レインツリーの国』は6月9日にNHKーFMでラジオドラマ化されるとのことでした。